当財団は、川本宜彦前代表理事(潟Tイサン前会長)の主導のもと、株式会社サイサンを主体として、平成十年四月、埼玉県知事の許可を得て設立、平成二十三年四月、公益財団法人へ移行いたしました。
財団の活動が15年目に入った平成二十四年九月、川本宜彦前代表理事は急逝いたしました。川本宜彦の財団への思いを私が引き継がせていただきます。

川本宜彦は財団設立の思いを次のように述べておりました。
二十世紀は、産業経済のめざましい発展によって、豊かな生活をもたらしましたが、一方、地球的規模で自然環境に甚大な被害をもたらすこととなりました。それは、産業経済の基盤を枯渇させるだけでなく、幾百・幾千という生物種が日々絶滅の危機に瀕し、絶滅しているということに示されるように、人類の生存基盤そのものを脅かすものであることは、多くの識者が警告しているところでございます。
その恐るべき事態を、われわれ企業人・経済人も黙視しているわけには参りません。経営を通じての、省資源、省エネルギー、廃棄物の削減やリサイクルなどの環境対策は当然のこととしても、より直接的な環境保全への関わりについても思いをめぐらせて参りました。

私どもサイサングループの本拠地である埼玉県は、産業経済の発展と都市化進展が最も顕著な地域であり、しかし一方、武蔵野の台地や丘陵、秩父の山間地帯などに、なお豊かな自然を残しています。その埼玉県において、「彩の国」の自然を守る環境重視の行政が進められ、それとタイアップしながら、団体や個人による県民の自主的な環境保全活動が発展してきました。そして県当局の指針において、企業の環境保全活動へのより積極的な関与が求められ、そのひとつの形として、市民活動を助成する財団法人の設立も提案されてきたのであります。

そのような背景のもと、環境の保護保全等をめざす埼玉県内の自主的活動への支援を通じて、地球環境の保全に寄与することを目的とする、当財団の設立に至った次第でございます。微力ではございますが、私どもの存在が、ひとりでも多くの方々の善意を結び合わせ、より大きな力へと発展する契機ともなるならば、それにまさる喜びはございません。

設立以来15年、財団は、延べ640団体に対し総額2億7千万円の助成を決定し、埼玉県における環境保全に貢献して参りました。多くの環境保全団体の方から当財団の助成によって活動を継続することができたと評価をいただいております。環境保全という大きなテーマに対し、ささやかではありますが、意義ある活動を継続・発展して参りたいと思います。今後とも、さらなるご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。